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2015年9月20日 

雇用均等分科会委員 各位

 

育児介護休業法改正に関する要望書

 

均等待遇アクション21事務局 

東京都文京区本郷2−27−2 東眞ビル3階 
           TEL&FAX 03-5689-2320 


 均等待遇アクション21は、「どんな働き方でも均等待遇を! 同一価値労働同一賃金を! 間接性差別禁止を法律に! 均等法を男女雇用平等法に! 有期雇用にも均等待遇を!」の実現を求めて活動するNGOです。

 昨年、私たちは介護プロジェクトを立ち上げ、女性労働者の仕事と介護の両立の実態を把握し、就業継続に必要な制度、職場環境などについて提言や要望をまとめることを目的としてインタビュー調査を実施しました。このたび調査結果がまとまりましたので、報告書をお送り致します。御一読頂ければ幸いです。

 私たちは、インタビュー調査と同時期に開催されてきた「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会」の審議内容に多大な関心を持って見守ってまいりました。研究会報告書をもとにこれから雇用均等分科会で育児介護休業法改正について審議が始まるとのことですので、インタビュー調査で明らかになった介護休業制度改正に関する事項を要望致します。また、育児休業の非正規労働者への適用緩和につきましても改正を要望致します。

1.介護休業制度改正に関する要望
(1)介護休業制度について
 @休業期間の延長
  ・「通算して93日」を365日に延長すること
  ・介護休業と短時間勤務等の合算の日数を介護休業のみとし、
   短時間勤務は別扱いとすること
  
*調査では、末期がんの看護などターミナルケアの場合に、介護休業を3か月取得したという事例がみられた。脳血管疾患や骨折などで入院し、急性期を過ぎて退院後の施設探しや自宅での受け入れ態勢をつくるために介護休業を利用することはあまりないようである。
介護休業を使いにくい理由は、休業期間が3か月では少なすぎること、雇用保険による休業給付が4割では低すぎることにある。介護休業を取得した後、就業継続の見通しがたたずに離職したという事例もあった。

 

A介護休業の複数回取得(分割取得)と要介護状態の適用緩和
・「要介護状態ごとに1回」を複数回とすること
(現行法では、2回目の介護休業ができるのは、要介護状態から回復した対象家族が、再び要介護状態に至った場合)
・「要介護状態」の判断基準の内容を緩和すること
(現行法の要介護状態とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)

*調査では、介護認定は、「要介護5」32、「要介護2」25、「要介護1」16、「要介護3」15、「要介護4」14、「要支援2」12の順に多かった。介護認定を取っていない人や障害認定がある人もおり、「要介護状態」の判断基準は柔軟な対応が望まれる。

 

B対象家族の拡大
・「同居し扶養している祖父母、兄弟姉妹、孫」から同居・扶養をはずし、祖父母、兄弟姉妹、孫とすること。
・伯叔父伯叔母にも適用すること。
 (現行法の対象家族は、配偶者、父母、子、配偶者の父母、同居し扶養している祖父母、兄弟姉妹、孫)

 

*調査では、対象家族は、「母」78、「父」27、「義母」19、「夫」6、「義父」5である。圧倒的に、娘が実母の介護をするケースが多かった。父を母が看取り、母を娘が看取るという、女性が介護を担うパターンは変わっていない。核家族が進む中で義父母の介護は減っているが、介護休業の対象外である「叔父母」5というケースはこれから増えてくると思われる。
別居、被扶養の祖父母や、伯叔父伯叔母も対象に加えるべきである。

 

C介護休業給付の引き上げ 
 ・雇用保険の給付期間93日を365日にし、賃金の40%を67%に引き上げること
 ・休業中の社会保険料を免除すること

(2)介護休暇など

  1. 介護休暇日数を5日から10日に増やし、半日や時間単位の分割取得を認めること
  2. 介護休暇を有給とすること
  3. フレックス制度の導入をすすめること
  4. 時差出勤(始業時間の繰り下げ、終業時間の繰り上げ、昼食時間の延長など)制度の義務化
  5. 残業免除の義務化

*調査では、希望する制度は、「時間単位の休暇」41、「フレックス」32、「時差出勤」23、「残業免除」18である。通院や通所の送り迎えのために、有給休暇や介護休暇の1時間単位での分割取得や、始業時間の繰り下げ・終業時間の繰り上げを望む声が多かった。通所介護や、突発的に介護の必要が生じた時に、柔軟な労働時間の対応が必要であることを示している。
遠距離介護の場合は、月1回の週末介護、隔週末介護だけでなく、毎週末介護もあった。介護休暇で対応できるように日数を増やし、時間単位の取得を認めるべきである。
介護休暇は無給の企業が多いと思われる。そのため、介護休暇ではなくまず年休を使うことになる。年休の取りやすい職場では、無給の介護休暇は使わない。年休の取りにくい職場ではなおさら介護休暇は取りにくい。従って無給では介護休暇の取得率は上がらない。有給の介護休暇を半日あるいは時間単位で利用したいという希望が多かった。

(3)その他(介護休業法以外の制度も含む)

  • 要介護者の家族と接するヘルパーやケアマネに対する、介護休業制度の情報提供、研修、周知
  • 企業に介護や制度について相談できる窓口の設置と、顧問ケアマネジャーなど専門家の配置
  • 雇用保険適用外(週労働20時間以内)の労働者や自営業者に対する経済的保障制度の導入
  • 遠距離介護等の交通費補助や割引制度(JR・私鉄・高速道路など)
  • 中高年男性への介護実技講座の開催
  • 介護者に対するメンタル面でのケアや孤立化を防ぐための取組み
  • 小規模多機能型施設(在宅、宿泊)を増やすこと
     

 

2.育児休業制度改正に関する要望

 2012年には、25〜34歳の女性の非正規労働者は、女性労働者の40.9%を占めています。非正規労働者の就業継続は重要な課題になっています。

 2005〜2009年の第一子出産前後の妻の継続就業率・育児休業利用状況を雇用形態別でみると、正社員の継続就業率は52.9%で、そのうち8割が育児休業を取得しています。しかし、パート・派遣の継続就業率はわずか18%で、育児休業取得者はその2割にとどまっています。育児休業取得率は、正社員43.1%に対してパート・派遣は4.0%しかありません(研究会参考資料1−1−D)。

 育児休業制度の施行後、正社員の取得率は順調に伸びていますが、非正規の取得率にはほとんど変化がありません。それどころか、女性有期契約労働者の育児休業取得率は、2008年度をピークとして年々下がり続けています。非正規の女性が継続就業をするためには、育児休業取得を断念せざるを得ないというのが現状です。

 これは、制度の周知に問題があるのではなく、有期契約労働者の取得要件が厳しいことに原因があると思われます。2009年の育児介護休業法改正の際の衆議院附帯決議においても、「有期契約労働者への制度の適用範囲の在り方について引き続き検討すること」と指摘されています。

 従って、現行の3要件を以下のとおり見直すよう要望致します。
 *現行3要件

  1. 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
  2. 子の1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれること
  3. 子の2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでないこと

現行の3要件からA、Bを削除し、「同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること」のみを要件とすること。
 ただし、休業期間については、残余の契約期間を超えないものとし、育児休業取得を理由とする契約打ち切りや更新拒否などの不利益待遇禁止を明記すること。

以上

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